昭和の頃に流行ったウールの着物。その人気が再燃していることはご存知ですか?
アンティーク着物のブームで昭和のウールがレトロで素敵と評判です。単衣仕立てなのに暖か、天然素材で熱がこもらないため夏以外の3シーズン楽しめます。
格式やルールに縛られず楽しめるウールの着物はいまどきの着こなしができますよ。
ウールの着物の特徴や帯合わせなどのコーディネートを説明していきます。
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ウールの着物とはどんなもの?
ウールの着物は羊毛で織られた生地を使って仕立てられた着物です。
昭和中期頃から普段着として流行し、40年から50年代をピークにブームは過ぎ去っていきました。しかし最近、レトロな柄がかわいいと再び人気が復活しています。
ウールだけでなく、シルクウールやウールコットン、ポリエステルなど化繊との混紡などさまざまな質感の着物が作られています。
ウールの質感が好きな方の中には、スーツ生地を使ってメンズライクな着物を仕立てる方もいるそうです。
洋服感覚で着られるため、普段から着物をよく着られる方はもちろんのこと、着物初心者の方でも肩肘張らずに楽しめます。
ウールの着物は単衣で仕立てます。
ウールの着物は重いため、袷のように裏地を付けるとバランスが崩れます。裏地を付けない代わりに居敷当て(いしきあて)を付けることもできます。居敷当てとは単衣や浴衣など裏地の付いていない着物のヒップあたりの後身頃に付けるあて布のことです。居敷当てを付けることで背縫いが保護され、ヒップ周りの生地が伸びるのを防ぎます。
またウール生地は暖かいので冬でも単衣で着用が可能です。単衣仕立てにするとお手入れも簡単で普段着に向いています。
着用時期はいつがいい?
単衣に仕立てるウールの着物は夏以外の3シーズン着られます。9月頃から6月頃まで、気候に合わせて着るといいでしょう。合わせる小物などとともに着用時期を説明します。
単衣のウール
ウールの着物は単衣でも真冬に着用が可能です。春、秋、冬と3シーズン着られますが、春や秋に寒さが和らぐ頃着るにはサマーウールで仕立てるといいでしょう。長襦袢は冬にはウール、春と秋は木綿や化繊を着ます。
ウールの着物は普段着として活躍します。春のお花見に着用する場合は桜の柄の帯を合わせたり、秋の紅葉狩りに秋の柄の帯をコーディネートしたりして楽しみましょう。
ウールの着物はお手入れが簡単なので、普段のお出かけに活躍します。
カジュアルな布地の草履を合わせて、スニーカー感覚でコーディネートするのも楽しそうです。最近は歩きやすくデザインや色がかわいい草履もいろいろ販売されています。
洋服を着るときのパンプスやスニーカーを選ぶように履きやすさとデザインで自由に選んでみてくださいね。
また、ウール着物の袷ですがクリーニングの際に縮んだりしますので、ウール着物は基本的には単衣仕立てです。
アンサンブルのウール
ウールのアンサンブルはウールの着物と羽織です。羽織1枚分(羽尺)と着物1枚分(着尺)がひとつの反物から仕立てられます。
羽織と着物をアンサンブルで着ると冬はとても暖かく過ごせます。羽織は春や秋の朝晩の寒いときには着られますが、日中は暑くなるので着物だけを着ることもあります。
アンサンブルで着るととても暖かいので、年末のお出かけや初詣など真冬の寒い時期の着用もおすすめです。
ウールのアンサンブルを着るときの足元は、色足袋に下駄を合わせてもおしゃれな着こなしになります。着物と足袋を同系色の濃淡にしたり、着物や帯の柄の中の1色を足袋の色にしたり、靴下感覚でコーディネートしてみましょう。
着物がシンプルな柄のときは、柄物の足袋を合わせてもお洒落です。着物上級者の着こなしをめざしてコーディネートするのは楽しそうですね。
ウール着物に合う帯について
ウールの着物は普段着ですので、帯も普段用の半幅帯や名古屋帯を締めます。普段のお出かけには半幅や名古屋帯のウールや化繊、木綿の帯を合わせるといいでしょう。お食事会やホームパーティー、観劇などには紬や博多織などの半幅帯、名古屋帯を合わせます。
普段着や気軽なお出かけ着として着られるウールの着物は、あまり格式張らず着られます。そのため帯選びも着物の柄や色などに合わせて自由に選んでもかまいません。
例えば、初詣に干支の帯を締めてお出かけする、年末の買い物には半幅の帯を締めるなど、そのときどきのコーディネートに挑戦してみましょう。
ショッピングや食事などには、半幅帯も名古屋帯でも好きな柄の帯を合わせて自由な着こなしを楽しめます。
礼装用の袋帯などは合わせることはできませんが、名古屋帯など普段使いの帯でコーディネートを楽しみましょう。
ウールは家でお手入れ可能
ウールの着物は絹の着物と比べるとお手入れが簡単で、ウォッシャブルウールと呼ばれるウールは自宅での洗濯が可能です。
自宅で洗うときは、ウール用洗剤やおしゃれ着用洗剤を使って手洗いします。ウールと化繊などの混紡の割合によっては洗濯機で洗える表示がしてあるものもありますよ。
ただしウールは縮みやすいので注意が必要です。またシルクウールはシルクが入っているため自宅で洗濯はできません。
古いウール着物で少々の縮みは気にならないというのでしたら、思い切って自宅で手洗いしてみましょう。縮みが不安な着物や、自宅での洗濯が不可と表示してある着物はクリーニング店に依頼しましょう。
ウールは虫食いしやすいので、長期間保管するときは汚れを落として収納します。引き出しや衣装用ケースに入れるときはたとう紙にしまいます。たとう紙は着物を購入したときに入れてある紙のケースです。
薄紙の付いていないものがあれば、付いていないたとう紙を使いましょう。虫よけの効果があるウコン染めの風呂敷があればそちらに包んで収納します。
ウールの着物はできるだけ絹の着物や帯、バッグなどの小物とは別の場所に収納しましょう。保管するときは防虫剤を入れておくと安心です。
また最近の住宅は気密性が高いため、湿気にも気を付けなければなりません。着物用の防虫剤だけでなく、湿気を防ぐための除湿剤も入れておきます。必要に応じてそろえておきましょう。
ウールの中古着物がブーム?!
昭和中期のブームが過ぎてからはあまり人気がなかったウールの着物ですが、アンティークの着物の流行に伴い再び注目されるようになりました。
格子や小花など最近では見かけないようなレトロな柄を、中古の着物で購入する方が多いそうです。
最近はアンサンブル用の反物の生産が少なく手に入れにくくなっています。
しわになりにくく、暖かいウールの着物は普段のお出かけ着として、気を遣わず手軽に着られます。裏地がなく、衿もバチ衿になっているウールの着物は、慣れていない初心者の方でも着やすい着物です。
着付けをしやすくお手入れも簡単なので、はじめての着物として購入することもおすすめです。
ウールは手に入れやすい価格なのもうれしいですね。着物初心者さんは着物に慣れるよういくつかそろえてみましょう。着付けや帯結び、コーディネートを練習するのに使いやすい着物です。
まとめ
昭和レトロな柄が人気で、特に中古着物ではかわいい柄が多いと評判のようです。やわらかくて着やすく、自由なコーディネートができる着物と聞けば手に入れたくなりますね。
お手頃価格で購入できるので、いろいろコレクションしてみるのも楽しそうです。
着物に慣れていない方もウールの着物なら気軽に着られますよ。ぜひ挑戦してみてくださいね。