「着物を着てみたい、でもなかなか勇気が出なくて…」という話をよく聞きます。確かに着物を着て外に出かけるのは勇気がいりますよね。まわりは洋服の人ばかり。周りの目が気にならないと言えばうそになります。着物で出かけると普段より疲れるんじゃないか、という不安もあるかもしれません。
でも慣れれば着物でお買い物に出かけたり、カフェによったり、全然問題なく楽しめます。むしろ着物を着るとついつい出歩きたくなる人も多いと聞きます。なんとなく凛とした気持ちになる、そんな魅力も着物にはあります。
今回は着物を着て良かったな、という体験談をご紹介したいと思います。
成人式!リメイクした母の振袖で出席
私はもともと女性らしくはなく、スカートは履かないタイプです。成人式は振袖ではなくてスーツで出席しようかなと思っていたんです。でも着物好きの母から「お母さんが昔に着た振袖着てみない?」と言われ、それを着たら母が喜ぶかなと思って親孝行のため着てみることにしました。
私は母の振袖なんてすごく地味だろうし、周りの流行りの振袖を着ている子達と比べて浮いてしまわないかなと不安でした。でも裁縫の得意な母が、花や蝶などの刺繍、そして綺麗なビーズなどを追加をしてすごく華やかに現代風にアレンジしてくれたんですよね。
すごく恥ずかしかったのですが、着てみると自分に似合っていて驚きを隠せませんでした。こんな私が着物を着ても似合わないんじゃないかなと思っていたのですが、すごく素敵で感動しました。
成人式当日、母の振袖を着た私を見て、両親が泣いていました。私も泣いてしまいました。あの時、母の振袖を着る選択をしたことは正しかったなと思います。
このことがきっかけで、私は着物を好きになりました。母に着物の着方を教わったり、裁縫などもするようになったんですよね。スカートは苦手ですが着物は大好きです。
(40代前半女性/北海道)
レストランウェディングに黒引き振袖
自分の結婚式の時に、お色直しで黒引き振袖を着ました。式場はモダンな雰囲気の洋風のレストランだったので、着物よりもカラードレスのような洋装の方が似合いそうな感じです。夫も濃い目の顔立ちなので紋付袴は似合わないとあまり乗り気ではありませんでしたが、どうしても和装が着たいと押し切りました。
そこでウェディングドレスや和装のレンタルショップを色々見て回ったり、ウェディング雑誌を見たりしてお色直しの衣装を探していました。その雑誌に載っていたのが、黒引き振袖です。
黒引き振袖だと現代風のヘアスタイルにもアレンジできますし、タキシードと組み合わせても大正ロマンのような雰囲気で違和感がありませんでした。それで結婚式では和装と洋装の組み合わせにしましたが、レストランの雰囲気にも合っていて良かったと思います。
結婚式で気に入った着物が着られてとても満足しています。
(40代前半女性/神奈川県)
お姫様気分になれる喜び!少女時代の着物の思い出
成人式や結婚式の晴れ着を着たときも嬉しかったんですが、自分にとって着物の思い出で最も印象強く残っているのが七五三での出来事です。
その当時は確かまだ6歳で、男の子に混じって遊びまわるおてんば少女でした。おしゃれなんて気にしない素振りをしていましたが、テレビ番組や漫画雑誌で華やかな衣装を着ている女の子に対し、密かに憧れを抱いていた女の子らしい一面も持っていたんです。
七五三の当日、わけも分からず親に美容院へ連れて行かれ、美容師さんに着物を着せてもらいました。赤色と鮮やかな花柄の着物で、鏡を見た時、いつもの自分とは全く違う姿が映し出されて、最初はすごくびっくりしたんです。でも、時間が経つにつれてキレイなお花の衣装と髪飾り、赤い鮮やかな口紅で整えたその姿は、お姫様のようだと思いはじめました。まるで自分が主役になった気分です。
たった1日の体験でしたが、とても幸福な気分になれたあの当時の着物の思い出は、大人になった今でも色褪せません。
(40代前半女性/静岡県)
いかがでしたか?
着物を着た年齢もきっかけも様々です。でも思い切って来た着物のことはいつまでもわすれられない大切な思い出です。
もし家に家族が所有する着物があるなら、自分のために家族が用意してくれたきものがあるなら、次のお休みに思い切って着物でお出かけしてみるのもいいかもしれません。きっといつもとは違う一日を過ごせると思います。