「着物を着る時に指輪や腕時計、ネックレス、ピアスなどのアクセサリーを身に付けても良い?」などと考えている方も多いでしょう。着物にアクセサリーを合わせても問題がないかは、着物を着て行く場所とアクセサリーの種類によって異なります。今回は、着物にアクセサリーを合わせる時、どのような場所がNGでどのようなアクセサリーは問題ないのかなどについてご紹介していきます。アクセサリー別に分かりやすくご説明しますので、着物にアクセサリーを合わせるか迷っている方は参考にしてくださいね。
着物を着るときにアクセサリーは付けて良い?
着物を着るときにアクセサリーを付けて良いのかを悩んでしまう方は、まず着物を着る場面について考えてみましょう。着物には格式が付けられていて、フォーマルな場面で着る場合と普段着として着る場合があります。そして、アクセサリーを付けて良いのか否かは、どちらの場面で着物を着るかで決まります。
フォーマルな場面でのアクセサリーについて
結婚式や祝賀会などの式典は、「正式な場(フォーマルなシーン)」として考えられています。そのため、正式な場面では格の高い着物を着ていくことがマナーです。そして、格が高い着物を着ていくときに「基本的にアクセサリーはNG」だと言えます。
着物のマナーの中で、アクセサリーを付けてはいけないという正式な決まりはありません。しかし、格式が高い場面では着物を着ている年配の方も多く「着物にアクセサリーなんて無礼だわ」と考えている方もいます。そうした理由から、フォーマルなシーンではアクセサリーを付けない方が「無難」という意味でNGとなっているのです。
普段着として着物を着る場合のアクセサリーについて
着物を普段着として着ている方も多いでしょう。普段着として着物を着ているときには、アクセサリーは自由に付けても問題ありません。自分が何を付けていようが、ファッションの一部ですので誰も文句をつける資格はないのです。
普段着の着物にアクセサリーを合わせる場合には、着物にアクセサリーを合わせることをおすすめします。例えば、控えめなが絵柄の着物ならアクセサリーで華を持たせたり、髪飾りと着物の色味を合わせたりするとおしゃれな印象を与えることができるでしょう。ただし、着物に合わせるアクセサリーは、チープなものですと着物とのバランスが悪くなってしまうことがあります。着物に合わせるアクセサリーは高級感のあるものにすると良いですね。
アクセサリー別に解説!
それでは、着物にアクセサリーはNGなのか、OKならばどのようなものが良いのかなどをアクセサリー別にご紹介していきます。
指輪
- 正式な場面 ・結婚指輪や婚約指輪はOK(できるだけ平たいものが良い)
・それ以外のおしゃれとしての指輪はNG - 普段着
・何でもOK
正式な場面で着物を着るときには、「結婚指輪」または「婚約指輪」は認められるでしょう。しかし、デザインによっても異なります。特に婚約指輪に関しては、大きなダイヤモンドが付けられている指輪も多くあります。ゴツゴツと大きなサイズでなければ、あまり気にされない方が多いようですので、シンプルなデザインの指輪なら問題ないと言えます。
ネックレス
- 正式な場面 NG
- 普段着 できればNG
ネックレスはもともと胸元を綺麗に見せるための装飾品です。しかし、着物を着ると胸元は「伊達衿」や「半衿」で十分におしゃれに見えます。半衿などが胸元にあるところに、わざわざネックレスを付けてしまうと、ごちゃごちゃしてあまり良くありません。そのため、着物のときにはネックレスを付けないことがマナーとされています。
また、普段着として着物を着る時にも「基本的には付けない」ことが望ましいです。ただし、どうしても付けたいと考えている方は、普段着として着ている以上おしゃれの楽しみ方は自由なので周りは何も言えないでしょう。普段着として着物を着る場合にネックレスをつけるのであれば、できるだけ控えめなものにしてくださいね。
腕時計
- 正式な場面 NG
- 普段着 どちらでもOK
正式な場面での腕時計は、できるだけしない方が良いでしょう。理由は3つあり、「手首が綺麗に見える」「時間を気にしているように見られないため」「着物の袖口を傷つけないため」です。着物に限らず、フォーマルな場面では基本的に腕時計を付けていかない方が良いとされています。冠婚葬祭時に腕時計をつけていくと、時間を気にしているように勘違いされてしまい印象を悪くしてしまうからです。
訪問着や付け下げといったそれほど格が高くない着物なら、小ぶりで華奢など控えめなデザインの腕時計をしても良いかもしれません。
また、普段着の着物に腕時計を合わせるのは自由です。しかし、手首を綺麗に見せたい方や、着物の袖口が傷ついて欲しくないと気にされている方は控えましょう。
時計と同じような考えとして「ブレスレット」も含まれます。おしゃれをしたいからといって正式な場面でブレスレットをするのは避けましょう。
ネイル
- 正式な場面
・できればNG
・爪の状態が悪い時には、薄いピンクなどのネイルでカバーする - 普段着 好きなように楽しめる
爪先をおしゃれに彩るネイルもアクセサリーの一つとして見なされます。せっかく着物で綺麗におしゃれを楽しんでいるのだから、指先まで綺麗でいたいと考えるのは当然ですね。
しかし、結婚式などの正式な場面でのネイルはマナー違反と判断されることが多いです。絶対的な決まりはありませんが、他のアクセサリーと同じ考えで正式な場面では相応しくないとされています。ただし、爪の状態が悪い場合には、薄いピンクや淡い色のネイルなら良いでしょう。爪の状態が悪いのにそのままで出席する方が、マナー違反は判断されることがあります。
そして、普段着の着物のときには自由にネイルを楽しむことができます。普段着として着る着物には基本的にマナーなどはありませんので、好きなデザインのネイルを選ぶと良いでしょう。着物に合わせたネイルなどを模索して楽しむのも良いですね。着物に似合う絵柄のネイルはたくさんあります。
詳しく知りたい方は「着物にあうネイル」を合わせてご覧くださいね。
ピアス・イヤリング
- 正式な場面 NG
- 普段着 どちらでもOK
ピアスやイヤリングは、正式な場面では基本的にNGです。ピアスなども他のアクセサリーと同じく、絶対にダメという決まりはありません。しかし、冒頭でもご説明した通り、結婚式や祝賀会などの格式高い場所では年配の方も多くいらっしゃいます。昔は、ピアスやイヤリングなどはなく着物に合わせる習慣がなかったことから、着物にピアスなどはマナーがなっていないという方も多いのです。
どうしても正式な場面でピアスを付けたいと考えている方は、揺れない小さいピアスなら問題ないでしょう。なるべく小さめのものを選んでくださいね。また、揺れないピアスを選ぶのは、着物だからというわけではありません。結婚式に参列する際に、洋装でも揺れいているピアスはタブーとなっています。「揺れている=不安定」というような意味から、結婚式のようなお祝いの席に相応しくないのです。着物でもドレスでも注意してくださいね。
フォーマルな場面以外は気にするよりも楽しむこと!
今回は、着物に合わせるアクセサリーについて詳しくご紹介してきました。結婚式や祝賀会などの格が高い正式な場面では、基本的にアクセサリーを付けないことがマナーとされています。アクセサリーを付けずとも、着物は華やかで女性らしい印象を与えてくれるものです。何か意味があってアクセサリーを身につけなくてはならない場合を除いて、なるべく付けずに着物を着こなしましょう。
一方、おしゃれ着や普段着として着物を着る場合には、着物のマナーなどは関係なくアクセサリーを楽しむことができます。プライベートで着物を着るときは、周りを気にせずに着物とアクセサリーの組み合わせを自由に楽しみましょう。