「着物を着た時に、どのようなバッグを合わせれば良いのか分からない」とバッグについて疑問を抱えている方は少なくありません。着物というと身構えてしまい「普段のバッグは使えないのでは?」と不安に思う方もいるでしょう。決してそのようなことはありません。普段使用しているバッグも、デザインによっては使用できるものもあります。今回は、着物に合わせるバッグについてご紹介していきます。
着物にあうバッグとは?
皆さまは、着物似合うバッグとはどのようなバッグを思い浮かべますか?本来、着物を着るときにはバッグを持つ習慣はありませんでした。バッグとは、洋服が普及し始めてから洋服とともに広まったもの。洋服が日本文化に取り入れられる前は、バッグを持つことはなかったのです。
しかし、現代ではバッグを持つことが当たり前になっているので、着物を着てもバッグがないと貴重品をしまっておく場所がないことに不安を抱えてしまう方もいるかもしれません。そこで、着物に似合うバッグの種類をご紹介していきます。
利休バッグ
利休バッグとは、名前から想像できる通り、お茶会やお稽古のときに合わせる着物用のバッグです。直線的なデザインが多く着物に良く似合います。もちろんお茶会やお稽古以外でも、結婚式や入学式といったフォーマルなシーンにも使用できるオールマイティな着物用バッグだと言えるでしょう。
底にはマチがあるため、収納力も高いのが特徴です。しっかりとした作りで床においても自立するため、着物で床に座るときにも自分の横にちょこんと置くことができます。
クラッチバッグ
洋服やドレスと同様に、フォーマルな場面ではクラッチバッグを着物に合わせても良いでしょう。クラッチバッグを着物と合わせるときには、「佐賀錦」や「絽刺し(ろざし)」、「西陣織」などの華やかなクラッチバッグをおすすめします。ただし、喪服として着物を着る時のクラッチバッグは、喪服用のクラッチバッグを合わせるようにしましょう。
そして、クラッチバッグは収納力が乏しく、長財布などを入れただけでいっぱいになってしまうこともあります。そのため、もしも普段から荷物を多く持つ方でクラッチバッグを使用したいと考えている場合には、サブバッグを準備しておくと良いですね。
ブランドバッグ
着物には、意外にもブランドバッグが似合うのをご存知でしょうか。パーティや観劇などにお出かけする際に合わせるとおしゃれな印象を与えてくれます。
ただし、ブランドバッグを着物に合わせる時には「小さめのデザイン」を選ぶのがコツです。お気に入りのブランドバッグを着物に合わせたいからといって、バッグが大きく派手なデザインでは、着物よりもバッグが目立ってしまい品がないと見られてしまう可能性があります。
着物に合わせるブランドバッグとして人気「ミニケリー」「シャネル マトラッセハンドバッグキャビアスキン」「ルイ ヴィトン カプシーヌ」などです。どれも小柄で控えめなデザインとなっています。
和装バッグ
和装バッグは、呉服屋や小間物屋などの着物メーカーが「着物に合わせるバッグ」として売り出しているバッグです。着物用として初めから作られているため、着物に合わせると全体的に美しく締まります。また、着物用として結婚式や祝賀会などの正式な場面に最適です。
和装バッグは、草履とセットになって売られているものも多くあります。バッグと草履がセットになっていると、統一感が出てコーディネートが苦手な人も簡単におしゃれができますね。また、和装バッグと草履のセットに帯の色合いや雰囲気も合わせると、全体的にすっきりとした印象になります。
籠バッグ
籐(とう)やアケビのツルなどの自然な素材で編んで作られている籠バッグは、着物に良く似合います。訪問着などに合わせると、さらにおしゃれな印象が強くなるでしょう。また、夏用の着物や浴衣などに合わせても、涼しげな装いになるはずです。
籠バッグで注意していただきたいのが、フォーマルなシーンでは使用できないことです。籠バッグはどうしてもカジュアルな印象を与えてしまうため、結婚式などの正式な場や入学式などのフォーマルシーンでは、マナーがなっていないと判断されてしまいます。籠バッグはおしゃれ着として着物を着用する時に合わせましょう。
ビーズや織物のバッグ
あまり見かけることはありませんが、ビーズや織物と言った手作業で作られているバッグもデザインによっては着物に合わせることができます。
例えば、ゴブラン織りの小柄なバッグを合わせている方もいるようです。ゴブラン織りは、少々派手なデザインとなっていますが、無地の控えめな着物と合わせることでバランスを取っています。ワンランク上のおしゃれをしてみたい方はチャレンジしてみてくださいね。
場面に合わせた着物バッグ選び
次に、着物のバッグ選びに迷った時、場面に合わせて選ぶコツをご紹介していきます。
格調高い場面
結婚式や祝賀会などの格調高い場面では、「和装バッグ」や「利休バッグ」がおすすめです。格調高いシーンでは着物の格が求められるのと同時に、バッグや帯、草履などの小物も品のあるものにしなければなりません。
そこで、和装バッグにも「礼装用」として販売されているものを選ぶのが簡単で正確です。礼装用の和装バッグは、結婚式などの格が求められるシーンでも使用できるように作られています。
和装バッグと草履がセットになっているものを選ぶと、洗練されたコーディネートが完成しますので試してみてくださいね。
普段
普段着として着物を着る時や、観劇や買い物に行く時に着物を着る場合は特に決まったバッグはありません。品格を求められることもありませんので、着物と品格に合わせると良いでしょう。
お出かけ
観劇などのおしゃれな場所に行く際には、「利休バッグ」や「クラッチバッグ」、「ブランドバッグ」などを合わせても小粋な和装ファッションとなるでしょう。もちろん和装バッグを合わせても良いですね。
着物が華やかなデザインならば、バッグは控えめにするとバランスが取れるでしょう。反対に、着物がシンプルなデザインならば、バッグで遊び心を出してみても良いですよね。
浴衣
浴衣に合わせるバッグは、「籠バッグ」や「巾着」、「刺繍入りの小ぶりながま口バッグ」がおすすめです。先にも述べましたが、籠バッグを浴衣に合わせると涼しげな印象になりますね。
刺繍入りのがま口バッグを合わせれば、全体的にレトロな雰囲気に仕上がります。もしも刺繍入りのがま口バッグを合わせるのであれば、浴衣のデザインもレトロなものに挑戦してみてくださいね。
季節に合わせた着物バッグ選び
洋服に合わせるバッグにも季節があるように、着物に合わせるバッグにも季節を感じさせるデザインのものがあります。
春夏…籠バッグ、麻素材のバッグ、春夏をイメージさせる花の絵柄など
秋冬…ファー素材が使われているバッグなど
洋服の考え方とほとんど同じですね。冬の着物にファー付きのバッグを合わせても、今どき風な着こなしでおしゃれな印象を与えてくれます。
このように、着物に合わせるバッグで悩んでしまったら、季節を意識してもコーディネートの幅が広がるでしょう。
着物バッグは、着物の種類・色・柄などに合わせよう
今回は、着物に合わせるバッグの種類や、季節・場面ごとでおすすめのバッグについてご紹介してきました。本記事でご紹介したコーディネートは一例です。基本的に洋服と同じように、着物も自由に楽しんで着られます。そして、洋服と同じように着物にも正式な場面でのマナーがあります。
マナーさえきちんと押さえておけば、自分の好きなコーディネートで着物を楽しむことができるのです。着物にどのようなバッグを合わせれば良いのか悩んでしまったら、「正式な場面ではないか」をはじめに考えましょう。そして、正式な場面ではない場合には、着物の種類や色、柄、季節などに合わせてバッグを決めていくと良いですね。